『ラジオ体操第1.1』
(六本木アートナイト スピンオフ・プロジェクト オープンコール採択作品)
杉本音音、遠藤七海による身体を用いた実験・考察企画「Ne Na Lab」が考案する新たなラジオ体操。2020 年、感染症拡大の影響で「新しい生活様式」が始まった。前向きな言葉とは裏腹にマスクで見えない相手の表情、家に籠って出会いのない日常という閉塞感が社会に漂っている。「新しい生活様式」をもっと楽しく捉えることはできないだろうか。そこで、「新しい生活様式」=日常のアップデートと捉え、ラジオ体操第一のアップデート版『ラジオ体操第1.1』を制作した。
『ラジオ体操第一』について
調査する,やってみる。
多摩川沿いを上流・下流へそれぞれ出会うまで無言で歩き続ける。その間相手の情報は電話から聞こえてくる足音や環境音。通話の音声、自分の周囲の音という二つの音に対し身体はどのように反応するのだろうか。
また、多摩川を歩き続け、出会った二人の身体はどのような関係性が結べるだろうか。緊急事態宣言に伴う外出自粛で人と触れ合うことを長きにわたって行わなかった身体には変化はあるのだろうか。
Instagramのライブ配信では、録画してから配信されるまで約15秒の時差があります。この時差を利用し、配信された15秒前の相手の動きの真似をします。真似をし、真似をされる。この繰り返しから、動きの捉えきれない部分や自分の動きのくせ、また通信障害が起き、振付が変化していきます。そして、配信された同じ人物を真似をした時、今/15秒前、自分/他者、という時差・空間を超えた″ユニゾン″が起きます。
コンタクトインプロビゼーションとは相手に触れて、押し合ったり、引いたり、相手の動きに反応しながら即興で動くコンテンポラリーダンスの要素の1つです。
つまりコンタクトインプロビゼーションは本来、対面でしかできないものです。
しかし最近、会議や飲み会、授業など様々なもののオンライン化が試みられています。オンラインでもコンタクトができるのではないか。
「相手との境界を曖昧にする」というコンセプトの元、オンラインでのコンタクトの稽古・配信・対話を行いました。